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公害防止協定書

明野廃棄物最終処分場に係る公害防止協定書

 山梨県(以下「甲」という。)、財団法人山梨県環境整備事業団(以下「乙」という。)及び北杜市(以下「丙」という。)は、乙が北杜市明野町浅尾字浅尾原5260番地外に設置する明野廃棄物最終処分場(以下「処分場」という。)に関して、次のとおり公害防止協定を締結する。

(目的)第1条

 この協定は、処分場の建設及び運営に関して、公害の発生を未然に防止し、地域住民の生活環境の保全を図ることを目的とする。

(基本的事項)第2条

 乙は、処分場の建設及び運営に関して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)、 浄化槽法(昭和58年法律第43号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第4条の6に定める生活環境の保全を目的とする法令、山梨県生活環境の保全に関する条例(昭和50年山梨県条例第12号)及び本協定に定める事項を遵守するものとする。

(受入廃棄物)第3条

 乙が受け入れる廃棄物は、山梨県内において排出される廃棄物であって、廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条第2項に規定する一般廃棄物及び同条第4項に規定する産業廃棄物のうち、別表1に掲げる種類のものとし、 その受入基準については別に定める。

(廃棄物の埋立期間)第4条

 乙が、廃棄物の埋立処分を行うことができる期間は、埋立を開始したときから5.5年以内とする。

(処分場の管理体制等)第5条

  1.  乙は、地域住民の生活環境の保全を図るため、処分場の建設及び運営に係る管理体制を確立するとともに、 必要な設備及び機器を整備するものとする。
  2.  乙は、浸出水処理施設から排出する放流水について、別表2に定める浸出水処理施設放流水の水質基準に 適合するよう処理するものとする。

(生活環境保全のための措置)第6条

  1.  丙は、処分場を原因とする生活環境の保全上の支障が発生するおそれがあると認められるときは、乙に対し、 その支障発生の防止のために必要な措置を求めることができるものとする。
  2.  乙は、前項の規定による請求があったときは、直ちに丙と協議のうえ、必要な措置を講ずるものとする。

(事故が生じた場合の措置)第7条

  1.  乙は、処分場の施設に故障、破損その他の事故が発生したことにより、生活環境の保全上の支障が生じたとき又はそのおそれがあるときは、甲及び丙と協議し、地域住民の生活環境の保全を図るために操業停止その他必要な措置を講ずるとともに、その状況を甲及び丙に報告するものとする。
  2.  処分場の施設に事故が生じたことにより、丙が設置する水道水源が汚染されるおそれが判明したときは、乙は速やかに、これに代わる水源を確保するものとする。

(立入調査等)第8条

  1.  丙は、地域住民の生活環境の保全を図るため、乙に対し必要な報告をさせることができる。
  2.  乙は、丙が地域住民の生活環境の保全を図るため必要と認める場合、丙の職員及び丙の指定する地域住民等の処分場への立入調査を受け入れるものとする。

(安全管理委員会の設置)第9条

 乙は、処分場の建設及び運営について、地域住民や専門家の意見を聴くことにより、安全面に万全を期するため、甲、乙、丙(地域住民の代表を含む。)及び専門家からなる安全管理委員会を設置するものとする。

(苦情処理)第10条

 乙は、処分場に関して、地域住民から苦情を受けたときは、誠意をもってこれに対応するものとする。

(情報公開)第11条

 乙は、処分場が廃止されるまでの間、各種測定結果及び受入廃棄物の状況の記録を住民に公表するものとする。

(損害賠償)第12条

 乙は、処分場を原因とする生活環境の保全上の支障が生じ、地域住民に損害を与えた場合は、甲の指導、助言、その他必要な支援を得て、誠意をもってその損害を賠償するものとする。

(協定違反時の措置)第13条

 丙は、乙がこの協定に違反したときは、乙から事情を聴取した上で、改善措置が講ぜられ又は違反状態が解消されるまでの間の操業停止を指示することができるものとする。

(細目規定)第14条

乙は、この協定に定める事項の実施に関し必要な細目的事項について、第9条に規定する安全管理委員会の意見を聴いた上で、別に定めるものとする。

2 前項の規定は、細目的事項の変更について準用する。

(その他)第15条

 この協定に定めのない事項又はこの協定に定める事項について疑義が生じたとき若しくは協定を改定する必要が生じたときは、その都度、甲、乙及び丙が協議して定めるものとする。

 この協定の締結を証するため、この協定書を3通作成し、甲、乙及び丙が署名捺印の上、各自その1通を保有するものとする。

平成18年6月8日

甲 山梨県甲府市丸の内一丁目6番1号
  山梨県知事

乙  山梨県甲府市丸の内一丁目9番11号
  財団法人山梨県環境整備事業団
  理事長

丙 山梨県北杜市須玉町大豆生田961番地1
  北杜市長

別表1(第3条関係)

受入廃棄物の種類
産業廃棄物 1 廃プラスチック類
2 ゴムくず
3 金属くず
4 ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず
5 工作物の新築・改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
6 燃え殻(溶融固化したものに限る。)
7 汚泥(し尿処理汚泥を除く。)
8 紙くず
9 木くず
10 繊維くず
11 鉱さい
12 動植物性残さ
一般廃棄物 1 一般廃棄物焼却灰等(溶融固化したものに限る。)

別表2(第5条関係)

浸出水処理施設放流水の水質基準
項目 単位 国の基準 水質基準
1 カドミウム及びその化合物 mg ⁄ l 0.1以下 検出されないこと
2 シアン化合物 mg ⁄ l 1以下 検出されないこと
3 有機リン化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及びEPNに限る。) mg ⁄ l 1以下 検出されないこと
4 鉛及びその化合物 mg ⁄ l 0.1以下 0.01以下
5 六価クロム化合物 mg ⁄ l 0.5以下 0.05以下
6 ひ素及びその化合物 mg ⁄ l 0.1以下 0.01以下
7 水銀及びアルキル水銀そのほかの水銀化合物 mg ⁄ l 0.005以下 0.0005以下
8 アルキル水銀化合物 検出されないこと 検出されないこと
9 ポリ塩化ビフェニル(PCB) mg ⁄ l 0.003以下 検出されないこと
10 トリクロロエチレン mg ⁄ l 0.3以下 0.03以下
11 テトラクロロエチレン mg ⁄ l 0.1以下 0.01以下
12 ジクロロメタン mg ⁄ l 0.2以下 0.02以下
13 四塩化炭素 mg ⁄ l 0.02以下 0.002以下
14 1・2-ジクロロエタン mg ⁄ l 0.04以下 0.004以下
15 1・1-ジクロロエチレン mg ⁄ l 0.2以下 0.02以下
16 シス-1・2-ジクロロエチレン mg ⁄ l 0.4以下 0.04以下
17 1・1・1-トリクロロエタン mg ⁄ l 3以下 0.3以下
18 1・1・2-トリクロロエタン mg ⁄ l 0.06以下 0.006以下
19 1・3-ジクロロプロペン mg ⁄ l 0.02以下 0.002以下
20 チウラム mg ⁄ l 0.06以下 0.006以下
21 シマジン mg ⁄ l 0.03以下 0.003以下
22 チオベンカルブ mg ⁄ l 0.2以下 0.02以下
23 ベンゼン mg ⁄ l 0.1以下 0.01以下
24 セレン及びその化合物 mg ⁄ l 0.1以下 0.01以下
25 ふっ素及びその化合物 mg ⁄ l 8以下 1以下
26 ほう素及びその化合物 mg ⁄ l 10以下 1以下
27 アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 mg ⁄ l 100以下 10以下
28 1・4-ジオキサン mg ⁄ l 0.5以下 0.05以下
29 水素イオン濃度(pH) 5.8~8.6 6.5~8.5
30 生物化学的酸素要求量(BOD) mg ⁄ l 60以下 10以下[7.5]
31 浮遊物質量(SS) mg ⁄ l 60以下 10以下
32 ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類) mg ⁄ l 5以下 0.5以下
33 ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類) mg ⁄ l 30以下 3以下
34 フェノール類含有量 mg ⁄ l 5以下 0.5以下
35 銅含有量 mg ⁄ l 3以下 0.3以下
36 亜鉛含有量 mg ⁄ l 5以下 0.5以下
37 溶解性鉄含有量 mg ⁄ l 10以下 1以下
38 溶解性マンガン含有量 mg ⁄ l 10以下 1以下
39 クロム含有量 mg ⁄ l 2以下 0.2以下
40 大腸菌群数 個 ⁄ cm3 3,000以下 300以下
41 ダイオキシン類 pg-TEQ ⁄ l 10以下 1以下[0.1]

備考

  1. 「検出されないこと」とは、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条の規定に基づき環境大臣が定める方法により放流水の水質を検査した場 合において、その結果が当該検定方法の定量限界を下回ることをいう。
  2. 〔 〕内は、水質基準ではなく、乙が自主的に定める管理目標値

公害防止細目規程

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